昔はPCの前に座らないとWEBサイトで情報を得られませんでしたが、スマホの普及により、どこでもいつでもWEBサイトで情報を得ることができる時代になりました。
そして、WEBサイトで情報を集める時代から、SNSで情報を集める時代へと変化しています。
塾の集客方法も時代に合わせて、考え直すべきではないでしょうか。
今回は、媒体を組み合わせた効果的な生徒の集め方について紹介します。
塾の集客で大切なこと
集客を考える場合、ターゲットを「潜在客」と「顕在客」に分けて打ち手を変える必要があります。
「これを解決したい」という自覚がないのが「潜在客」、自覚があるのが「顕在客」とした場合、学習塾の集客では、どちらが主なターゲット層になるでしょうか?
様々な意見があるかと思いますが、学習塾の場合、「顕在客」がターゲットになるはずです。
「成績が下がってきているので塾に行かせないと」「あの高校に行きたいけど学力が全然足りない」「推薦で受験したいけど内申点が足りない」等、ニーズが顕在化しているケースが多い業界です。
「別に塾に行こうとは思ってなかったけど、楽しそうだから行ってみるか」なんて人は、いないはずです。
つまり、生徒や保護者には明らかにニーズが顕在化しているという前提で集客を考えなければいけません。
「塾なんて成績を上げたいから行くに決まってるだろ」と思われるかもしれませんが、「なぜ成績を上げたいのか?」が集客の訴求ポイントになります。
「夢とか志望校とか決まってないけど、今のままじゃヤバイ」から成績を上げたいというのであれば、学校の定期テスト対策講座が訴求ポイントになります。
一方、「あの高校に合格したい」から成績を上げたいのであれば、志望校名を明記した専門対策講座があることが訴求ポイントになります。
訴求ポイントによって、それに適した集客方法や集客媒体を変えていかなければなりません。
近隣の中学校の定期テスト対策のニーズが高ければ校門配布が有効でしょう。
一方、特定の志望校合格がニーズであればホームページやブログといったWEBでの集客が有効です。志望校合格がニーズであれば、WEB上で「○○高校 塾」と指名検索するからです。
「なぜ成績を上げたいのか?」という理由を、塾の地域に合った状況を分析して、力を入れる集客媒体を変えていくことが重要です。
教育と営業の両立
校門配布にしろチラシ配りにしろ、集客や営業に力を入れていくと、若い先生には必ず「数字数字と言われてばかり。教育がしたくて塾の先生になったのに」という不満・不信が芽生えてきます。
よく言われる「教育と営業の両立」です。
経営者からすれば、生徒数や売上が上がらなければ倒産しますから、営業に力を入れるのは当然です。しかし、会社経営に携わっていない先生にとっては、自分のやりたいこと、自分の理想像が優先されてしまいます。
したがって、集客を考える場合、まずは塾内で先生方と「教育と営業の両立」について、しっかり合意形成をしていくことが大切です。
「教育と営業の両立」について合意形成ができていないと、集客に力が入りません。
「数字を追うな、筋を追え」という言葉があります。
筋というのは、教育理念です。「なんのためにココに塾があるのか」という本質です。「こんなド田舎で何にもないところから、世界に羽ばたく子ども達を送り出したい」というのも立派な本質です。
「数字を追うな、筋を追え」というのは、そういう教育理念や本質を追求していった結果、生徒数が後からついていくという考えです。
集客の根っこにある動機を、見つめ続けなければいけません。
こんなにある!塾の集客方法・アイディア
従来の印刷物を用いたものから、インターネットを使った手法など、集客のための手段はいくつもあります。
一つの方法だけに固執するよりも、常に新しいことを試しましょう。
どの方法にも一長一短ありますから、その時々に応じた集客方法を組み合わせるのがポイントです。
それぞれ内容を説明しましょう。
塾の集客方法①最も力を入れるべきは口コミ集客
子どもを塾に通わせたいと考えた時に、保護者が塾を選ぶきっかけとなりやすいのは口コミです。
「あの塾良いよ」という口コミは、どういう時に起きるのでしょうか。
「てまひま」→「感動」→「サプライズ」という言葉があります。
入塾して「てまひま」かけて面倒を見るだけではダメで、保護者を「感動」させて初めて口コミが起きるというものです。
一番いい口コミは「サプライズ」、保護者が驚いた時に起きるというものです。
入塾し、てまひまかけて面倒を見た結果、学校の定期テストで点数がとれるようになり、通知表で初めて「4」をとり、感動して親子で抱き合って喜んだというケースです。
そして、絶対に無理だと諦めていた高校に合格して驚いた、というケースです。
成績向上や志望校合格といったシーンはイメージしやすいですが、他にどんなシーンを想定すればいいでしょうか。全ての事に全力を注ぐわけにもいきません。
やはり、入塾面談時や講習会面談時に、きちんと保護者の要望を聞き、その要望を満足させることだと思います。
「自分で勉強できるようになって欲しい」「集中力をつけさせたい」等、保護者の要望はいろいろあります。
その要望を先生間で共有し、その要望を満たすところで「てまひま→感動→サプライズ」を目指すのです。
また、「買った時が一番の口コミタイミング」とも言われます。
入塾した直後に、保護者に口コミをお願いするのもいいでしょう。
いずれにせよ、口コミのポイントは「内部充実」にあることは確かです。
>>塾の集客に紹介・口コミは欠かせない!在校生からの紹介が増えない理由とは?
塾の集客方法②校門配布・チラシ配り
地域密着で学習塾を経営している場合は、校門配布やチラシ配りはまだまだ有効です。
校門配布はタイミングが重要です。
学校の定期テスト結果が返却される時期が一番危機感が強く、効果的です。また、学校の進路面談の時期もいいでしょう。
13歳や14歳の中学生にとっては、会社に申込みをさせるというチラシはハードルが高いですので、塾の無料イベントに参加を促すぐらいがいいでしょう。
また、学校の先生にきちんと配布の許可をとり、配布後には学校を清掃するということも大切です。
そういうところは学校の先生もきちんと見てますので、自分のクラスに塾に通わせたい生徒がいた場合には声かけしてくれる例もたくさんあります。
一方、校門配布やチラシ配りを全くしないという塾長の話を聞いたことがあります。
理由は、「生徒が嫌がるから」だそうです。
通っている塾の先生が、自分の学校の友達にチラシを配っているのが恥ずかしいそうです。
例えチラシを受け取っても、親がチラシを見ると必ず「行け」と言われるので、親に渡さずに捨てるそうです。
このように一長一短ありますが、生徒の視点に立ってチラシ内容や配布時期を検討することが大切です。
塾の集客方法③SNSでの集客
インスタやX(旧Twitter)等のSNSを集客に活用するのもおすすめです。
総務省「令和4年通信利用動向調査」では、年齢別にSNSの利用方法が調査されています(単位は%)。
塾に通う年代である13歳~19歳の子どもと、その保護者にあたる30歳~49歳までの年齢層で見ていくと、SNSの利用目的としては、「知りたいことについて情報を探すため」が70%前後を占めており、情報探索ツールとしてSNSを活用している実態が伺えます。
実際にインスタで「学習塾」と検索すると、多くはありませんが50社程が既に取り組んでいます。
多くは、教室での生徒と先生の写真やイベント風景の写真が並んでおり、フォロワー数は1,000前後といったところです。
大手塾ほど講習会案内等の募集案内が多く、個人塾ほど教室での生徒の写真が多いのが印象的です。
SNSの活用としては、教室の雰囲気や先生の個性がわかることが重要ですから、教室での生徒写真と先生の何気ないコメント、がSNSには向いています。
塾の集客方法④ ブログによる集客
保護者の視点で塾選びを考えると、塾のホームページに記載されている内容はどの塾も似ていて、判断に必要な情報が掲載されていないというイメージを受けます。
特に大手塾のホームページによくあるのですが、各教室の地図とともに教室長の写真があり、その横に教室長のコメントが短く掲載されています。
保護者は、「近所の塾でうちの子に合った塾はどこだろう?」という視点で塾を探しますから、「面倒見のいい塾です」といった、当たり障りのないコメントでは心が動きません。
「うちの子に合った」というのがポイントで、どんなに合格実績が派手に掲載されていても、「それは他の子でしょ」と受け取られてしまいます。
親の言うことを聞かずに困っているのあれば、少し厳しい先生がいる塾を探しますし、少し厳しく言うと落ち込んでしまう子であれば、優しい先生のいる塾を探します。
楽しく勉強するのが好きな子であれば、楽しく面白い先生がいる塾を探すでしょう。
このように、保護者は「我が子に合った塾はどこか?」で塾を探しています。
その視点からすると、ブログは最適なツールと言えます。
日々更新される教室内の写真や、日々の先生の雑感コメント、保護者からの感謝の言葉、懐かしい卒業生の来塾写真等、既成のホームページではわからない、塾の特徴がブログで伝わります。
ブログにYouTube動画を埋め込んで紹介するのもいいでしょう。
ある塾では、塾長が保護者面談で感じたことを厳しめの口調でYouTubeで公表し、ブログ内に埋め込んで紹介しています。
すると、「先生がYouTubeで言われていることは、まさに私のことだと反省しました」と言って、保護者が入塾申込に来るそうです。
こうすると、入塾して欲しい家庭の保護者、入塾して欲しくない家庭の保護者、を事前に選別することができ、塾内の空気を一定に保つことができます。
塾の様子や先生の個性をアピールするには、ブログは最適なツールと言えます。
>>塾がWEB集客を活用するメリットとは?低予算で始めるネットの活用
塾の集客方法⑤ 広告による集客
広告と言っても、たくさんの種類があります。
内容によって費用も狙いも変わるので、出稿前に検討が必要です。
たとえばチラシのポスティングをする場合、大まかなエリアの世帯動向や家族構成比率なども調べておくと良いでしょう。
こうしたデータや情報によって、属性に適した文面を考えられます。
駅広告で塾の広告を見かけますが、この場合は認知度や安心感を高める効果が期待できます。
「野立て看板」も、意外と塾経営者の評判が高いツールです。塾の「認知」を高めることに適しています。
バスの停留所案内のアナウンスに広告を出している塾もあります。「次は○○○。○○高校合格に実績のある○○塾へは、ここでお降りください。」というアナウンスです。生徒が覚えてしまうようです。
広告は「認知」を高めるのに適したツールです。地域でいま一つ自塾が認知されていないと感じる場合には、試してみる価値があります。
地域で「認知」が完了していれば、立地面で一般的に不利と言われる2階に塾がある場合でも、保護者の方から調べて塾に来てくれるでしょう。
塾の集客で忘れてはいけないこと
集客活動はとても大切ですが、本当に効果があるのかを測定することも大切です。
授業内容・サービスが悪ければ定着しませんし、いずれは集客も難しくなるはずです。
そこで授業品質を高めること、そして集客の効果を確かめることの重要性について解説をします。
口コミにつなげるために塾のサービス品質を高める
集客活動は重要ですが、ホームページを作り、SNSやブログで情報発信をしても、肝心の授業や進路指導等のサービス品質が乏しければ意味がありません。
長年塾を経営しているカリスマ経営者が言っていました。
「まずい料理を出すレストランがどんなに広告を出しても、まずいレストランだということをばらまくだけだ」
問合せが少ないと焦りますが、塾内のサービス環境は良好かどうか、まずはそこを充実させるべきです。
自塾に通っている生徒や保護者に満足していただいているかどうか、広告よりも先に手を打たなければいけません。
何より、退塾者を出さないことです。「1人の退塾者を出せば、7人の退塾者が出る」とも言われます。悪評を振り撒かれれば、募集どころか生徒数が減るのです。
人材採用研修や採用後研修をしているコンサル会社には、覆面調査をしてくれるサービスがあります。
一般の保護者になりきって塾に問合せをし、接客対応やアフターフォローについて評価したり、退塾者へのインタビューをして、退塾した本音を聞き出してレポートで報告してくれたりします。
実際に利用した塾から聞くと、退塾理由として内部から挙げられるのは「部活との両立が難しい」であったのが、覆面調査では「教室長が嫌い」という衝撃的な理由だったこともわかるようです。
こうした地道な努力を続け、内部充実を先に図ることが、広告効果を高めることにもつながります。
集客手段の効果測定を必ず行う
集客活動を実行したら効果測定を必ず行ってください。
問い合わせの有無やWEBサイトアクセスの増減など、必ず数値化して見える化することが重要です。
「去年より問い合わせが減った」「先月よりWEBアクセスが増えた」という感覚的なことではなく、具体的な数字として残すことが重要です。
数字として残さないと、去年の数字と比較した分析ができません。
どの媒体でいつ、どれだけの量で広告投下したのか、結果はどうだったのか、それらの情報を年度別に比較しなければ次の対策を打てません。
必ず成功する集客は存在しないので、失敗もデータに残し、分析して次に活かしましょう。
集客するだけでなく見込客の管理も怠らない
資料請求や問い合わせがあったものの、入塾しなかった見込み客は必ず発生します。
しかし取得できた名前や住所、電話番号の情報は貴重な情報ですから、最後まで活用するべきです。
たまたま今はタイミングが合わなかっただけの方もいるはずですから、夏期講習の案内など、定期的にコミュニケーションを取りながら管理しましょう。
ゼロからコミュニケーションを始める見込み客よりも、何かしらの接点のある見込み客の方が、クロージングにつながる可能性は高いのです。
塾の集客まとめ
塾の集客は、口コミが一番効果があります。そのためには、内部充実を図ることが先決です。
「なぜ成績を上げたいのか?」という顕在化したニーズをさらに分析することが、集客の訴求ポイントにつながります。
また、校門配布やチラシ配布のように、何人かの先生に手伝ってもらう場合は、「教育と営業」について合意形成しておくことも重要です。
そのような集客の狙いに合った集客ツールを使い分け、効果を数字で測定し、常に改善に取り組み、新たな集客ツールにも積極的に挑戦していく姿勢が大切になります。
「何もしない」という現状維持の姿勢が停滞を招きます。
良いと思ったことにはポジティブに取り組んでいきましょう。
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