塾業務の中でも、時間がかかってしまう時間割作成。
授業内容や生徒とのコミュニケーションも大切ですが、時間割もとても大切な業務です。
ともすれば、サクサク作れる時間割ですが、ベストを追求しようとするとかなり時間がかかるもの。
時間割作成が速い講師が優秀で、遅い講師はダメと一概に言えるものではありません。
塾講師の業務は多岐に渡るため、時間割は素早く、こだわって作れなければならないものなのです。
そこで今回は、時間割についてご紹介します。
時間割の大切さや業務負担、システム化によるメリットについてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
塾業務の時間割はとても大切
時間割作成はとても重要な業務です。
時間が合わなくて通塾を諦めるケースも多くあります。
また、時間割によって生徒の満足度が変わる場合もあるため、あらゆる点を考慮して作成しなければなりません。
通いやすい時間割が組めれば、生徒も保護者も助かりますよね。
逆に通いにくい時間割は、生徒や保護者のストレスにもなりかねません。
時間割を考えるポイントは、
- 近隣の人気のある習い事やスポーツクラブの時間帯を把握する
- 女性講師が働きやすい時間帯を考慮する
の2点です。
近隣の人気のある習い事教室やスポーツクラブの時間割を調査する(塾に通いやすい時間割を組む)
昔は習字、塾の2強だった習い事も今では多岐に渡ります。
- 英会話
- 茶道、華道
- スポーツクラブ
- 太鼓クラブ
- 絵画
- 乗馬
- ナイター(学校の部活動の延長)
など、一昔前では想像できないほどの習い事があるのです。
1人で複数の習い事をしている生徒も増えています。
そのため、塾で生徒を集めるためには、時間割で調整をかける必要もあるのです。
特に地域によって人気のある習い事とのバッティングは避けましょう。
生徒や保護者には優先順位があります。
体験授業などで授業を気に入ってもらえても、他の習い事と重なってしまっては通塾を諦めるケースもあるのです。
また、共働きの家庭も増えているため、送迎が保護者の負担になりすぎる時間割もよくありません。
生徒によって、事情が異なるため、個人の予定をしっかり把握するとともに、希望が集中しそうな時間帯に講師を配置できるように工夫するようにしましょう。
中学生主体の夜遅い時間割では、女性講師が働きにくい。
小、中学生の多くは男性講師よりも女性講師を希望するケースが多いです。
やはり女性特有の優しさ、柔らかな雰囲気は勉強しやすい環境づくりに直結します。
しかし、中学生主体の遅い時間帯でのコマ割では、女性講師は働きにくいです。
最後のコマの1つ手前の比較的早い時間帯であげられるように設定するのが好ましいでしょう。
夜遅い時間帯を希望する生徒もいますが、多くは19時台、20時台が人気です。
それ以降になると保護者の送迎負担にもつながるため、この時間帯に女性講師が授業を行えるように調整をかけましょう。
1日4コマの授業を週に2日入れるより、1日2コマの授業を週4回にした方が、女性にとっては楽なケースもあります。
週4の方が通塾する生徒数のコントロールもしやすいメリットがあるため、なるべく分散して負担のかからないようにしましょう。
>>学習塾こそRPAで事務作業を自動化!メリット・デメリットを解説
時間割業務で負担がかかってはいないか
こだわりだすと時間がかかってしまうのが時間割業務です。
得意な社員にとってはさほど負担ではありませんが、苦手な社員にとって時間割作成はかなりハードな業務になります。
そのため、講師の力量、教室の状態に応じて、時間割業務を考慮しなければなりません。
時間割業務が大変になるのは、
- 規模が大きい場合
- 個別指導の時間割(特に夏休み)
- 講師の希望と生徒の希望のバランス
の3つです。
規模が大きくなるほど時間割の作成が大変に
教室の規模が大きくなればなるほど、時間割の作成は大変になります。
規模には大きく分けて2種類あり、
- 生徒数が多い
- 管轄する学年が多い
です。
また、管轄する小中学校が多い場合も時間割作成は大変になります。
それは、学校行事や定期テストのタイミングがバラバラになるケースが多いからです。
特に小中学校では行事実施日をずらす傾向にあるため、1カ月間どこかの学校で毎週イベントが続くケースもあるでしょう。
さらに定期テストでは、管轄中学が多いほど日程がバラバラになりやすいです。
夏期講習や冬期講習などの時間割作成も規模が大きいほど大変になります。
学習塾は通常の授業だけが行われる月は多くありません。
毎月何かしらのプラスの授業が行われるため、規模が大きい分、年間を通しての負担も大きくなるのです。
個別指導の講習会時間割作成はコマ数と組合せ数が膨大で大変。大学生講師の夏休みの予定は直前まで決まらないことも多い
多くの塾では、春、夏、冬の年3回、期別講習を行っています。
集団塾の場合は比較的日程を設定しやすいものの、個別指導の期別講習は時間割を組むのがとても大変です。
通常授業と並行して行われるケースが多く、昼間だけではコマを消化しきれないため、夜の時間帯に期別講習のコマを実施するケースもあります。
授業のコマが増えると、講師のスケジューリングも必要です。
しかし、大学生講師の場合、長期休暇(特に夏休み)の予定が直前まで決まらないケースもあります。また、帰省のタイミングもあるため、都合がつきにくい場合が多いです。
このように期別講習実施時は、生徒のコマ数が増えるだけでなく、講師のスケジューリングがぎりぎりにならないとわからないため、時間割を組むのが非常に難しい問題があります。
時間講師の予定を聞いてから生徒の希望を聞くのか、生徒の希望を聞いてから先生の勤務を調整するのか。
個別指導で期別講習やテスト対策の授業を設定する場合、講師と生徒、どちらの予定を先に聞くかがポイントですが、結論は両方同時に、早い段階で聞くのがベストです。
その際、双方ともに余裕をもって聞くのがいいでしょう。
生徒も講師も、絶対に塾に来れない日や時間帯だけ教えてほしいと伝えるのです。
生徒の場合は習い事や親の送迎の関係で比較的期間中に空き時間が増えます。
講師も予定が入っていない部分を伝えてくれるようにしておけば、先に授業コマを確保しやすくなるのです。
しかし講師の場合は、シフトがギリギリになると予定を入れられてしまう恐れがあるため、期別講習やテスト対策が行われる月のシフトはなるべく早い段階で出すようにしましょう。
実施日より早ければ早いほど、個別講師の予定は埋まっていないはずです。
動き出しを早くして、スムーズに時間割が組める状態を作りましょう。
>>塾業務におけるマニュアル化の必要性とは?IT化への第一歩
塾の時間割業務はシステム化すべき
年間を通じて、かなりの時間が必要となる時間割作成業務。
塾講師の業務は他にも様々なものがあるため、1つ1つの業務を効率的に行わなければ負担が激増します。
そして、その影響を受けてしまうのは生徒です。
忙しいの字のごとく、心を亡くしてしまっては、よりよい指導なんてできないですよね。
だからこそ、多大な時間のかかる時間割業務はシステム化すべきなのです。
時間割業務のシステム化によるメリットは、
- 負担が激減する
- 本当にやるべき仕事にリソースを集中できる
の2つがあります。
現場の指導、生徒や保護者の満足度を上げるためにも、時間割業務のシステム化は必須と言えるでしょう。
システムで管理すると時間割の負担が激減
時間割作成をシステムで管理すると、負担は激減します。
必要事項を入力するだけでシステムが正確に時間割作成を行ってくれるのです。
時間割作成はかなり細かいため、相当神経をすり減らします。
特に、時間割作成の終盤に差し掛かってミスが発覚した場合、細かな修正が必要になるのです。
1コマ移動させようとすると、他のコマや講師、生徒に影響が出る恐れがあります。
そのため、1か所変更して終わりではなく、様々な部分を見なければなりません。
慣れている職員でもミスが出やすい部分なので、システムで管理ができるメリットは計り知れないと言えるでしょう。
コマの設定ミスは生徒や保護者の不信感にも繋がります。
また、担当する講師にも迷惑がかかるため、塾の信用を内外問わず下げてしまうのです。
だからこそ、時間割作成などの単純作業は、処理が得意なITに任せるべきと言えます。
本当にやるべき仕事へリソースを集中させる
時間割業務は時間帯効果があまり高くありません。
1つ1つ手作業で作成をしても、気をつけるポイントは毎月さほど変わらないのです。
アナログ式でこだわって行ったとしても、それだけで成績効果にはつながりません。
そのため、気がつくと仕事に追われ、他の大切なことを見落としているケースも多いです。
塾講師が本当にやるべき仕事は、成績効果に直結する仕事。
これなくして、塾講師と胸を張って言えることはないでしょう。
わかりやすい授業、楽しい授業、やる気の出る話。
これを一生懸命考えて授業に臨む。
貼り出し作成や講師とのコミュニケートを取り、生徒のやる気を出させるように仕向ける。
保護者への電話がけや報告書作成を丁寧に行い、退塾を防止する。
生徒の成績、学力を上げるための教材作成。
講師が本当にやるべき仕事は、直接的に生徒や保護者、現場の講師に向かう仕事なのです。
時間割作成はとても大切な業務の1つですが、他にもやるべきことはたくさんあります。
仕事には優先順位が大切になるため、社員に応じて、何をやるべきか、どこに向かうべきかを上側が示唆し、本当にやるべき仕事へリソースを集中させましょう。
>>ビットキャンパスとは?塾が開発した塾のためのシステムをやさしく解説
塾の時間割に最適なシステムとは
塾の時間割業務はシステムにより業務時間短縮が可能です。
しかし、ただ機械的に処理をして作成をしても、現場で混乱が生まれるでしょう。
時間割は、特に生徒にとっては成績が上がるか否かの分かれ目です。
そのため、システムを選ぶ際は、
- 連続受講数、先生と生徒との相性等、細かい設定ができるもの
- 時間割連絡に連携しているもの
- パターンの登録により、毎月自動作成が可能なもの
の3つを満たしているととても有効になります。
システム自体はたくさんあっても、これらすべてを満たしているシステムは少ないです。
システムを採用する際は、しっかり比較をするようにしましょう。
連続受講可能コマ数や先生と生徒の相性等、細かい設定が可能なシステムほど精度が上がる。
期別講習やテスト対策など、通常よりもコマ数が多くなる月の多い学習塾。
連続受講は生徒のモチベーションにも関わるため、なるべく避けたいところです。
また、先生と生徒の相性も成績アップには欠かせません。
すべてが生徒の希望通りになるわけではありませんが、相性の悪い講師を避けることは塾の評判にも繋がります。
さらには、
- 生徒の通塾可能時間(保護者の送迎可否も踏まえる)
- 乗り合わせでの通塾などの配慮(兄弟姉妹、親同士の繋がりなど)
- 自習席の活用(授業後に自習席を使う)
- 個々のスケジュール管理(旅行や帰省などにも対応できる)
など、時間割の作成時には気にすべきポイントがたくさんあるため、これらを詳細設定できるシステムがベストです。
情報が多くなればなるほど、人手では混乱しますが、機械は処理を得意とします。
そして豊富な情報量があれば、最適な時間割を生み出すことも可能です。
そのため、細かく設定ができるシステムを選ぶようにしましょう。
時間割作成だけでなく時間割連絡にも連携しているシステムが最適
時間割作成すると生徒アプリのスケジュール帳に自動反映する機能は重要でしょう。
時間割作成後に、生徒や保護者へどう通知をするかも非常に大切です。
多くの塾では、現在もアナログ式で、エクセル等に打ち込み、印刷して手渡しする形をとっているでしょう。
これでは、
- 生徒や保護者からの振替依頼に時間がかかる
- 振替えたらまた印刷して手渡しになるため、時間もコストもかかる
- 生徒が親に渡し忘れる恐れも
など、様々な問題が生じます。
特に、現代は共働きの家庭が多く、親も多忙な方が多いです。
生徒も部活動やクラブ活動、他の習い事など、スケジュールが詰まっている場合があります。
そのような中、通塾ができない日程で時間割作成がしてあると、生徒も保護者も困ってしまうでしょう。
さらに、その対応をするのは現場の職員です。
限られた時間の中で、たくさんの振替処理を行うのは、決して業務効率がいいとは言えません。
そのため、作成したらすぐに生徒や保護者がアプリなどで見れる、時間割連絡にも連携しているシステムがベストです。
一度パターンを登録すれば毎月の時間割を自動作成してくれるもの(労力軽減)
生徒の日々の習い事や講師との相性、学力状態などはすぐに大きく変わるものではありません。
家庭ごとの通塾可能曜日や時間も、親の仕事に影響を受けるため、さほど月によって替わることも少ないでしょう。
そのため、一度のパターン登録により、翌月以降の時間割が自動作成できるシステムは、社員の業務量を激減してくれます。
もちろん、生徒や保護者から申請があった場合は変更が必要です。
しかし、パターン登録ができるものであれば、変更も容易になります。
また、講師が手打ちで作成する場合、生徒や保護者の情報をすべて頭に入れておかなければなりません。
講師も人間なので、すべてを完璧に覚えておくのは難しいでしょう。
そこで、ミスをしてしまうと、生徒や保護者から「言ったのに変わってない」「伝えたのに対応してくれない」と悪評に繋がってしまいます。
信頼は築くのは大変ですが、崩れるのは早いもの。
労力の軽減だけでなく、信頼を勝ち取るためにも、パターン登録による管理は多忙を極める塾の時間割作成業務にとっては、最適なシステムと言えます。
まとめ
塾の時間割作成業務はとても大切な業務です。
時間割が満足度に直結するケースも多く、適当に決められません。
生徒の成績向上、通塾率の高さ、地域の口コミなど、あらゆる面に影響を与えます。
しかし、できていてあたり前という側面もあり、社員の業務時間とのバランスは非常に悪いです。
そのため、システム化により、業務時間を短縮しつつ、ミスが少なく、生徒や保護者の要望に合わせたシステムを採用しなければなりません。
たくさんあるシステムの中でも、自塾にフィットするものは限られてきます。
そのため、しっかりと様々なシステムを比較し、検討する必要があるのです。
ただ作成するだけでなく、心のこもった時間割を作成してくれるシステムは、自塾の発展には必要不可欠。
塾の「あったらいいな」は、現代であれば大半が実現可能です。
ぜひ、自らが望むシステムを探し、現場も社内もよりよいものに変えていきましょう。
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