塾にとって生徒の成績向上は生命線です。
いくら面倒見がよく、生徒に対して真摯に向かっていても、成績の上がらない塾は淘汰されていくでしょう。
小規模の塾の場合、開校当初は成績効果もあり、どんどん生徒が増えるケースは少なくありません。
しかし、ある時を境に成績も生徒数も伸びにくくなるポイントがあります。
それが、拡大=職員が増加するタイミングです。
そこで今回は、生徒の成績が上がらない原因の特定と改善方法についてご紹介します。
職員採用に伴う成績が上がらない理由や、情報共有のポイント、システム導入による見える化の必要性についてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。
自塾で職員講師にまかせてから成績が上がらない
職員採用後に成績が上がらなくなるケースは非常に多いです。
塾長が直接現場に入って指導しているのと、塾長抜きで現場を回すのとでは雲泥の差があります。
しかし、仕方ないと対策を何もしないと、塾の評判には繋がりません。
職員講師採用後に成績が上がらない理由としては、
- 退塾の申し出があってからでは手遅れという意識がない
- 成績を上げられるノウハウを身に着けるには時間がかかる
- 成績が下がった後のフォローが徹底されない
の3つです。
キャリアが長くなれば、どれもあたり前のようにできることですが、新入社員にとってはハードルが高いものだと心得ておきましょう。
保護者から退塾の申し出があってからでは遅い
ある日突然、職員から「〇〇が退塾になりました」と報告を受けるケースは少なくありません。
退塾は塾にとって悪いものですが、退塾にはいい退塾と悪い退塾があります。
いい退塾は、
- きちんと状況の報告がされていた
- 上長に相談し、対応をし続けてきた
- 保護者とのコミュニケートも密に取れていた
- 成績を上げなければ退塾になるなどの情報が共有できていた
にも関らず、退塾となってしまったケースです。
あらゆる対応をやりつくしての退塾なら納得がいきますよね。
しかし、実際の現場では、これらが行われない中での退塾も生まれます。
退塾が出たときに申し訳なさそうに報告してくる職員は多いでしょう。
しかし、退塾が出てからではもう何もできません。
保護者から退塾の申請が来る前に、どれだけ対応できるかが勝負です。
このあたりを、経営者と同じ目線でとらえている職員、数えるほどしかいないでしょう。
退塾を防ぐ方法論はいろいろとありますが、「危ないな」と感覚的なものでもいいので、退塾に対する危機感を持たせることが職員には必要です。
成績を上げられるノウハウを身に着けるのに時間がかかる
成績を上げるためには、分かりやすい説明ができるだけでは足りません。
例えば、生徒のやる気を引き出す方法。
ときに笑い、ときに真剣な話ができるかどうか。
話ができても、伝わる人数がごく少数なのか、大多数なのか。
塾講師はメッセンジャーでもあるため、この力もつけなければなりません。
また、教科内容を教える際も、
- この教え方で弊害が生まれる問いがある
- ここを押さえておけば、応用のときに使える
- ここができていない=あの単元もできない
など、あらゆる視点から生徒を捉える必要があります。
「目の前の1問をわかりやすく教えて生徒ができた。」
これだけで満足してしまう講師は、意外と多いものです。
しかし、塾講師の使命は、成績上昇と志望校合格。
本当に成績を上げられるスキルを身に着けるためには、まずは講師が解説以外にあらゆるスキルに興味・関心を持たなければなりません。
そして、1つずつ現場での経験を通じて、ノウハウを身に着けていくのです。
そのため、即戦力とは言っても、成績を上げられるノウハウを持っている職員は、特に新規採用の場合はほとんど存在しないと心得ておきましょう。
成績が下がった後のフォローが徹底されない
退塾原因でも特に多いのが、成績が下がった後にフォローをしないことです。
結果だけを見て、「残念だったね。次、頑張ろう」と声をかけるだけでは、対応とは呼びませんよね。
しかし、職員は「対応した」と認識するのです。
確かに声をかけてはいますが、対応した事実を作っているだけで、本当の対応ではありませんよね。
また、成績が下がったの基準も低い場合が多いです。
例えば、順位が50位→49位。
よく言えばキープですし、厳密にいえば上がっています。
しかし、もう1つ前の順位が20位だったらどうでしょうか。
20位→50位→49位の場合、退塾の可能性が出てきますよね。
しかし、職員の多くは、直前との比較で一喜一憂します。
つまり、成績が下がった後のフォローが徹底されない大きな理由は、
- 対応の価値観が低い
- 成績のアップダウンの基準が緩い
の2です。
これらの意識改革をしなければ、いくら対応法を教えても対応の一歩が踏み出せず、未対応のまま退塾へと繋がってしまうでしょう。
成績の低下した生徒の情報は塾長まで伝わらないのが通常
前述のように、職員の意識が低い場合は、成績が下がった生徒の情報が塾長まで伝わってきません。
ひどい場合だと、成績の確認が抜けているケースもあります。
しかし、意識が芽生えても、すべての情報が塾長まで伝わることはありません。
それは、細かな報告、相談、情報共有が徹底されるシステムがないからです。
改善する際のポイントは、
- 業務に成績ダウンの報告を組み込んでもうまくいかない
- 見える化するためには、見せる化が必要
の2つがあります。
業務に成績ダウンの報告を組み込んでもうまくはいかない
業務に報告を義務付けてもうまくいかないのは、あくまで仕事の域を超えないからです。
塾講師は、生徒の成績を上げるために手段を選んではいけません。
もちろん、暴力はダメですよ。大問題になりますから。
生徒の成績に価値を持ち、成績ダウンが退塾に直結すると理解をしていれば、報告を義務付けなくとも報告は上がります。
つまり、そのことを理解していないから報告が上がらないのです。
理解をしていない職員に、命令を出しても、ミスが増えるだけ。
職員にとっては、責められる理由が増やされただけなのです。
そのため、まずは職員全員が成績を重んじ、退塾への危機感を持つようにしなければなりません。
しかし、現実的にすべての職員が同じ志を持つのは難しいです。
そこで、一部の職員を使って、報告の空気づくりをするのが有効となります。
見える化は「見せる化」。塾長にも講師にも、見せようとする意識が必要。
生徒の成績情報を塾長が把握しやすいようにするには、職員からの報告が当たり前という空気を作らなければなりません。
つまり、自塾の中でお手本となる講師を作るのです。
ある講師が、自教室の生徒情報を塾長に詳細に報告をする。
塾長はそれに真摯に答える。
これをやり続けると、1人、また1人と自然に報告にくる職員が増えていきます。
報告の内容を受け止め、「ありがとう」「良く気づいたね」などの認知があると効果は倍増するでしょう。
義務を与えるのは簡単です。
しかし、義務を与えるのは、認知の機会を奪います。
そして職員は、報告しないと怒られると感じ、職場が窮屈になっていくのです。
そうではなく、報告するのがいいことという空気を作る。
強制ではなく、自然と報告が上がる状態に持っていくのが本当に大切なのです。
報告のない悪い文化は、右にならえで蔓延したもの。
あの人が報告しないから、自分も報告しなくていい。
そういう心理が働いているのです。
逆に、誰かが報告をして認知されれば、周りの職員も同じ行動を行います。
職員と言っても、行動原理は生徒と変わらないため、上手に引っ張っていくようにしましょう。
成績が低下した生徒の情報を特定する仕組み化が必須
職員の意識改革が生徒情報の共有のためには必要です。
しかし、意識が変わるのを待っていては、止められる退塾も止められないでしょう。
特に小規模の塾の場合、1件の退塾が悪評を生み、退塾の空気が蔓延するケースもあります。
どんどん生徒が辞めていく塾では、通塾中の生徒に「退塾」の選択肢が与えられてしまうのです。
これを防ぐためには、退塾を防止するしかありません。
そのためには、成績ダウンの生徒情報を特定する仕組み化が必須になります。
それは、個で対応するのではなく、組織で対応できる体系を整えることが必要だからです。
仕組みとして有効なのは、
- システム化による情報の一元化と分析
- 成績ダウン者に対する素早いフォロー
- 対応の過程は全員で共有していく
の3つがあります。
システム化による情報の一元化と分析
職員の報告を促しつつ、まずはシステム化により情報を一元化し、分析できる状態を作りましょう。
職員の報告はとても大切です。
しかし、待っているだけでは状況は改善されません。
報告が上がってこなくとも、システムにより、塾長が各教室の生徒情報を把握するのです。
職員の負担としては、成績入力が増えるくらいでしょう。
たったそれだけで全生徒の情報を把握できるのはメリットが大きいですよね。
ただ入力するだけでは、分析がしにくいため、システムの導入が必要になります。
情報を一元化し、分析しやすい状態にするのは、退塾防止にとても効果的です。
また、その情報を元に職員への確認を増やすと、自ずと職員の意識も上がっていくでしょう。
さらには、職員もそのツールを使えるようになれば、より効果的に成績分析が行え、迅速に各教室での対応に繋げられます。
成績カードを見るだけではもう追いつけない時代です。
システムによる管理で、塾長も職員も、全員が成績に対して興味・関心を持つ組織づくりを行っていきましょう。
成績低下が判明した時点ですぐに対応を
成績ダウンの対応は、即対応が基本です。
生徒も毎日通塾しているわけではありません。
例えば、木・金で通う生徒の成績情報が木曜に判明したとします。
ここで、木の授業後、金の授業前に報告が抜けると、対応できるのは最速で1週間後です。
これでは遅いですよね。
成績が下がると、転塾がよぎる過程は多いです。
保護者から「塾に行ってて意味あるの?」「合わないんじゃないの?」と言われ、反論できる子供もそう多くはいないでしょう。
成績ダウンの対応は、生徒と保護者の双方にしなければなりません。
そして、時間が経てば経つほど、対応の効果は低まります。
逆に即対応ができれば、よく見てくれる、気にかけてくると信頼に繋がるでしょう。
成績ダウンは、良くも悪くも生徒と保護者の感情が揺さぶられるタイミングです。
ここで、迅速かつ的確な対応ができれば、塾への評価も高まるでしょう。
そのため、成績低下が判明した時点で、即対応できる状況を作らなければならないのです。
対応中の過程は、全先生で共有し、組織知を作っていく。
成績が下がった生徒の対応は、数日で終わるものではありません。
連続ダウンは絶対に避けなければならないため、次のテストまで比較的長いタームの中での対応が必要になります。
ここで、各教室で「いつ」「だれに」「誰が」どのような対応をしているかは組織として共有しなければなりません。
もちろん、塾長に状況報告がなければなりませんが、他の教室でも同じように対応しなければならない生徒は存在します。
そのため、企業という大きな組織ぐるみで情報を共有し、成績上昇を目指さなければなりません。
また、教室ごとの小さな組織でも情報の共有は必要です。
講師ごとに違った対応をしてしまっては、生徒は伸びませんからね。
全員で同じ方向に向かって、全力で対応していく。
これは時代がいくらIT化しようと、AIが普及しようと必要になる力です。
人の団結は、システムを凌駕します。
そのため、いつでもブレずに一枚岩になれる企業づくりを目指していきましょう。
ビットキャンパスEXで生徒の成績を向上する仕組みを構築
どの塾でも新しい職員を採用しなければ事業の拡大もありませんし、利益の増加も見込めません。しかし、何も手を打たなければ、基本的に人数が増えるほど組織力は低下していきます。
組織力が落ちても生徒を獲得するために成績は上げなければなりません。
そのために、しっかりと現場を管理できるシステムが必要になります。
そこでおすすめなのが、ビットキャンパスEXです。
このシステムがおすすめな理由は、
- 成績情報が一元管理できる
- ボタン一つで学年ごとの成績下降数や名前を把握できる
- 成績が上がったときの保護者へのアピールがしやすい
の3つがあります。
>>ビットキャンパスとは?塾が開発した塾のためのシステムをやさしく解説
まずは成績情報の一元管理。定期テスト、模試、小テスト等の結果を一元管理する。
成績情報の一元管理は、生徒の状況を把握するために必要です。
生徒は、
- 伸び盛り
- 停滞中
- 下降気味
など、調子の良し悪しが成績に直結します。
うまくいっているときはぐんぐん伸びますし、うまく言ってないときはどれだけ頑張っても伸びにくいです。
さらには、
- 定期テストには強くても模試に弱い
- 模試には強くても定期テストに弱い
- 塾内テストで取れていても、定期で取れない
など、個々に課題があります。
これらを現場の講師に丸投げするのではなく、データ化して見える化することで、より正確な情報を得ることができるのです。
これらに基づき、塾長や教室長が陣頭指揮を執ると、現場でより効果的な指導が行えます。
そのためにも、成績情報の一元管理は必須と言えるでしょう。
ボタン一つで、学年毎の成績下降人数や生徒名を即座に把握できる仕組みを構築。
教室全体の状況把握は、募集戦略を立てる上でも退塾防止を進める中でも非常に重要です。
成績が下がった生徒の対応をしっかり行うことは、退塾防止だけでなく、面倒見の良さのアピールにもなります。
- いつも見てくれている
- 気持ちを分かってくれる
- すぐに対応してくれる
といった声は、よい口コミを生み、生徒募集に直結するでしょう。
また、各教室の学年ごとの動向も必要な情報です。
例えば、下がっている生徒の割合がある学園で6割だったとしましょう。
その際、
- 講師が生徒を引っ張れていない
- 生徒にやる気を出せられていない
などの問題点が見つかります。
そしてこれを改善するために、
- 講師割り当ての変更
- 教室ごとのイベント実施
- 次の対策授業へのスケジューリング
など、教室として方針を決められ、明確な目的をもって行動ができるのです。
また、全体的に成績が下がっている生徒が多い場合は、地域の悪評に繋がるケースもあります。
そのため、個の把握だけでなく、全体の動向を見やすくすることで、後手対応にならない教室運営が可能になるのです。
成績が上がったら、グラフ付成績帳票を自動出力し、保護者面談で目に見える形でアピールする。
ビットキャンパスEXでは、グラフ付成績表を出力できます。
特に成績が上がっている生徒に関しては、グラフの見栄えがよくなるため、保護者への映りが非常によくなるため有効です。
保護者の中には、成績が伸び続けているのに不満や不安を抱える方もいらっしゃいます。
- うちの子はもっとできる
- 志望校に合格できるか心配
- 前とそんなに変わってない気がする
など、基本的に漠然としているケースが多いでしょう。
そのため、具体的に目で見える形でのアピールは、保護者の安心感に直結します。
特に面談では、意識しないと
- うちの子全然勉強しない
- 家でだらだらしている
- 親が注意しても反抗する
など、生徒のマイナスな話題になるケースが多いです。
そこで「塾で頑張っている」と口で言うだけでなく、明確にぱっと見で分かる資料があるのはメリットが大きいですよね。
他にも、
- 現場の管理がしやすい
- 講師や経理の業務負担軽減
- 生徒の成績、学力状態の把握
など、様々なコンテンツが詰め込まれているビットキャンパスEX。
実際に現場を経験した講師の生の声が反映されているコンテンツなので、気になる方や、システムの導入をお考えの方はぜひ、覗いてみてください。
まとめ
どの塾でも開校初期から数年たつと、職員採用により生徒の成績は伸び悩んできます。
順調に伸びる教室もあれば、徐々に下がっている教室もあり、こればかりは職員の力量のせいというしかありません。
しかし、マンパワーを理由に、成績の上がらない授業や運営をしていては、今の時代では淘汰されてしまいます。
成績に関する報告も、できる職員が素晴らしいだけで、できない職員が悪ではありません。
多くの塾では、成績の報告は密に取られていません。
そこで、システムを採用し、現場の管理をしながら職員を育てる必要があるのです。
いいシステムは好循環を生み、教室を、企業をよくしていきます。
その結果、生徒に還元され、成績が伸びていくケースも多いです。
システムも今では様々なものがありますが、やはり塾のことは塾が一番理解しているでしょう。
そのため、塾経験を元にして作り上げられたビットキャンパスEXは、他のサービスと比べて、塾運営の強い味方になります。
ぜひ、一度ピットキャンパスEXを覗いてみてください。
>>ビットキャンパスとは?塾が開発した塾のためのシステムをやさしく解説
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