業務の多忙、システム化を進める弊害としてコミュニケーションの希薄化が進みます。
塾以外の業界でも同じですが、特に学習塾にとってコミュニケーション不足は企業の成果に直結する由々しき問題です。
円滑なコミュニケーションは、企業にとって利益をもたらします。
しかし前述の通り、多忙を極める塾の業務の中では、システム化は必須です。
つまり、バランスを取りつつ、コミュニケーションを円滑に行える体系を整えられるかがポイントになります。
コミュニケーションと一言で言っても、塾の場合、生徒、保護者、社員・スタッフと対象者が多いです。
ここではそれぞれとのコミュニケーションの大切さとシステム化のポイントについてご紹介します。
塾内の問題はコミュニケーション不足から
連絡ミス、連係ミス、退塾、理念と外れた対応など、塾内で起こる問題の多くはコミュニケーション不足から始まっています。
コミュニケーションがしっかりとれている場合、これらのミスは非常に少ないです。
コミュニケーション不足の多くは、管理者が目の前の仕事に没頭するだけでなく、単純接触効果を甘く見ていることから生まれています。
いつでもできる単純接触だからこそ、1つ1つ丁寧に行うように心がけましょう。
単純接触効果はバカにできない
企業内での上司、教室内での先生、つまり上からのコミュニケーションはあらゆるプラスの影響を与えます。
それは、コミュニケーションを通じて、管理者としての姿勢を明確にできるからです。
上側のコミュニケーションは、
- この先生は、ここまでは許してくれる
- この先生は、これは許さない
- この上司は、これをすると喜ぶ
など、上側の意識を理解させる要因になります。
また、相手を知るのも非常に大切です。
日々の会話から、相手の人となりを知り、たくさんの情報を集めておくと、いざというときに絶大なパワーを発揮します。
たった数分の会話をただのコミュニケーションと捉えるか、相手を知るための手段と考えるかで、未来は大きく変わるのです。
理解し合える関係は、ときに絶大なパワーを生み出します。
この関係性を構築できるかが、成績効果、志望校合格、退塾防止、塾内の雰囲気づくりと様々部分に影響を与えるのです。
「自分を知ってもらうには、まずは相手を知ろうとする」というように、コミュニケーションを通じて相互理解を深めることが大勢になります。
そして、社員も同様に生徒、保護者、スタッフとのコミュニケーションを大切にするように仕向けて行きましょう。
塾と生徒間のコミュニケーションの大切さ
社員(講師)と生徒のコミュニケーションはとても大切になります。
それは、コミュニケーションがやる気のきっかけとなるからです。
心から言葉が出るように、言葉から心同士のつながりが生まれます。
ポイントは、
- コミュニケーションとやる気は関連する
- 行動するからやる気が出る
の2つです。
コミュニケーションとやる気は関連する
塾内の生徒がやる気に満ち溢れていれば、ただ勉強を教えるだけで済むでしょう。
しかし、多くの生徒はやる気がないとまではいかなくとも、やる気に満ち溢れた状態ではありません。
教室中にやる気が満ち溢れ、活気のある状態。
この雰囲気を作るのが、塾にとっての使命と言えるでしょう。
大切なのは、やる気を与えるのではなく、やる気のきっかけを与えることです。
- ちょっと頑張ってみよう
- もう少しやってみよう
いかに生徒をこの気持ちにさせるかが勝負になります。
そこで、このきっかけを切り開くのが、コミュニケーションです。
些細なコミュニケーションから、生徒は心を開いていきます。
その心が開いた状態で勉強に向かせられれば、自ずと生徒の可能性が拓かれるのです。
なかなか言う通りにしない生徒ほど、コミュニケーションが大切になります。
1つ1つのコミュニケーションを通じて、生徒の人となりを知り、やる気を与えるきっかけ作りをおこなう組織を作りましょう。
やる気があるから行動するのではなく、行動するからやる気が出る。
きっかけを与えると、生徒に行動が生まれます。
- 問題を解かせる
- 解説を聞かせる
- 課題を与える
などをし、生徒の自主的な行動を促しましょう。
そして、生徒が行動をしたら、その認知を最大限行ってください。
やる気のない生徒は、自主的な行動をしません。
やらされてる感満載の行動をとるでしょう。
しかし、きっかけを与えた状態の生徒は、行動が変わります。
それを見極めるのが講師の役目です。
行動をし、先生から褒められた。
自分でもできたと実感した。
これが行動理由となり、やる気が生まれていきます。
やる気がないのは悪ではないです。
やる気が起きないのは、子供であるからこそ当り前でしょう。
それを、本人の問題と責任転嫁せず、教育者としていかに前を向かせていくか。
ここが講師の腕の見せ所です。
社会に出て成功を収めたものの多くには「恩師」がいます。
自塾の講師が、そんな恩師になれるチャンスがあるのです。
講師は行動のきっかけを与え、行動を認知してやる気につなげる。
生徒は自ら行動するからやる気が出るのです。
この状態に誘導するためにコミュニケーションができる環境を作り上げていきましょう。
塾と保護者間のコミュニケーションもとても重要
退塾防止、良い口コミを地域に流すために必要なのが、保護者とのコミュニケーションです。
しかし、講師の中には、保護者とのコミュニケーションが苦手な方もいます。
それでも、保護者とのコミュニケーションなくして、塾は成立しません。
講師には、生徒と同様に保護者との関係構築を促していきましょう。
ポイントになるのは、
- 不満足の多くはコミュニケーション不足から生まれる
- 信頼度は接触回数に比例
- 電話連絡はつきにくい
の3つです。
不満足の多くはコミュニケーションが原因
保護者の不満の多くは、
- 成績が上がらない
- 家で勉強しない
と、漠然とした理由です。
これらの現状に対して、塾側が、
- どう指導しているか
- どこを目標にしているか
- できるようになったこと(指導の成果)
- 現時点の課題
などを保護者と共有しているかがポイントになります。
コミュニケーションがしっかり取れていれば、保護者の不安は緩和されるでしょう。
しかし、コミュニケーションが取れていない場合、保護者の不満足に直結します。
保護者にとって、塾での子供への指導はとても見えにくいのです。
どれだけ塾で素晴らしい指導をしていても、保護者に伝わなければ、親は満たされません。
成績はもちろんですが、
- 塾での取り組み方
- 私生活(学校での様子)
- 将来の夢
などを通じ、子供のことをどれだけ理解しているか。
これが伝われば、多くの保護者は安心して子供を任せてくれるでしょう。
保護者は子供の情報を知りたいと思っているはず。
塾として、保護者のニーズにこたえるのもまた、塾の使命なのです。
塾の信頼度は保護者との接触回数に比例する
保護者の情報共有は、1度で済むものではありません。
何度も保護者に伝え、状況と課題、今後の方針を粘り強く伝えていく必要があります。
退塾リーチがかかっている生徒の場合は、それぞれの定期テスト後のコミュニケーションは必須です。
これらを綿密に行うと、保護者の信頼度が上がっていきます。
つまり、塾の信頼度は保護者との接触回数に比例して大きくなるのです。
「量でなく質」という方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、1回のコミュニケーションで満足される保護者のいらっしゃいます。
しかし、長時間で良質の1回よりも、簡単でも定期的な複数回のコミュニケートの方が保護者は満足します。
それは、「子供のこと」だからです。
自分の大切な子を、大切にしているかどうか。
これが保護者の満足、不満足の分かれ目です。
満足を得るには、やはり多くのコミュニケーションの機会が必要になります。
特に、保護者対応が苦手な社員は希薄になりがちなので、管理者側がリードするか、システムでコミュニケーションを増やす体制を整える必要があるでしょう。
共働き家庭が前提の時代!固定電話には出ず携帯電話では仕事中のことが多い
保護者とのコミュニケーションといえば、電話と答える方が多いでしょう。
一昔前までは、様々な塾で積極的に取られていた電話連絡。
しかし、現代は共働きが増え、固定電話、携帯電話での連絡がつきづらいです。
もともと保護者対応が苦手な講師は、「電話に出ない。だからできない」と工夫もせずに理由付けをするでしょう。
しかし大切なのは、電話をしたかどうかではなく、保護者とコミュニケーションを取ったかどうかです。
保護者への連絡手段は電話だけではありません。
- メール
- ラインなどのSNS
- 塾内HP(システムによって閲覧可能にする)
など、様々な方法があります。
電話や面談が最も効果的かもしれません。
しかし、保護者の負担になってしまっては逆効果です。
前述の通り、回数が増えれば、1回の電話や面談に匹敵する効果もあげられます。
そのため、管理者が意図的に保護者とのコミュニケーション回数を増やせられる体制をシステム化する必要があるのです。
>>塾の集客に紹介・口コミは欠かせない!在校生からの紹介が増えない理由とは?
塾の社員・スタッフ同士のコミュニケーションは緊密に
コミュニケーションは対顧客だけではありません。
社員とスタッフ同士のコミュニケーションもとても重要です。
スタッフとのコミュニケーションが円滑な教室は生き生きとした空気が流れます。
特に、
- 満足度が上がる
- 授業にも営業が
の2点について、相乗効果があるのです。
社員・スタッフの満足度はコミュニケーションと関連する
社員、スタッフのコミュニケーションが円滑な教室では、講師の満足度が高い状態になります。
もちろん、仕事ですから、一定の規律は守るべきですが、社員、スタッフとのコミュニケーションがしっかり取れていると、
- スタッフや講師が辞めない
- 指示実行力が上がる
- 報告・相談がしっかりされる
- ミスが起きにくい
といったメリットが生まれるのです。
話しやすい間だからこそ、様々な情報共有が緊密に行われます。
これらが円滑に行えるのは、組織にとって大きな強みです。
さらに、満足度が高い状態だと、ムリな相談も快諾してくれる率が上がります。
例えば、
- 急なシフト変更
- チラシ配り
- 時間外の質問対応
なども積極的に行ってくれるでしょう。
満足度が高いと、スタッフの動きはとてもよくなり、結果、教室に勢いが生まれます。
そのすべては緊密なコミュニケーションから。
間接的な手法ですが、生徒にとっては直接的に大きなメリットになるため、ぜひ社員とスタッフのコミュニケーションがとりやすい環境を整えましょう。
社員・スタッフの満足は授業に影響する
社員、スタッフの満足度が高いと、授業の精度向上に繋がります。
講師が仕事に対してやる気を持っている状態だからです。
教室運営で一番大切なのは、教室内のスタッフの意思疎通を図ること。
- 指導、対応の一貫性
- 状況共有による生徒の認知
- 社員、教室長の指導が行き渡る
など、様々なメリットが生まれます。
また、生徒の情報共有もされやすく、指示通りにスタッフが動くため、生徒の満足度向上にもつながるのです。
つまり、社員とスタッフのコミュニケーションは、それぞれのモチベーションを上げるだけでなく、授業にも好影響を与え、生徒に対してプラスに働きます。
この状態ができると、社員やスタッフや自主的によりよい指導を求め、
- 指導法の勉強
- 生徒対応をどうするか
- 次のテストに向けた目標設定
など、自主的な行動につなげやすくなるのです。
逆に、コミュニケーションが希薄だと、受動的な行動ばかりで教室の雰囲気は悪くなります。
そのため、スタッフとのコミュニケーションが密にとれる環境を目指しましょう。
生徒・保護者・社員のコミュニケーションにシステム化を
学習塾の運営にあたり、コミュニケーションはとても大切です。
対象となるのは、生徒、保護者、社員そしてスタッフ。
これらがいかに円滑なコミュニケーションを行える環境を整えるかが、塾の生命線といっても過言ではありません。
そこで、そのような環境を生むためにはシステムが必要不可欠です。
システム化のポイントは、
- スマホによる状況活用
- 社員間での共有事項
- 1人で対応できる数には限界が
の3つがあります。
スマホによる情報活用を強化していく
昔は紙面や会話などが主流だった情報共有。
今でも大切なコミュニケーション方法の1つですが、こればかりでは、
- 働き方改革の波についていけない
- 社員、スタッフは早く帰りたい場合も
- やる気を奪う逆効果になる恐れも
と、時代の変化を受け、正攻法だけではうまくいかなくなっています。
そこで、スマホによる情報活用強化が必須になるのです。
いつでもどこでも見られる環境は、一昔前にはなかった環境でしょう。
それも、本人が見たいときに見られればいいので、活用しない手はありません。
スマホでの情報活用強化の注意点は、上側の確認動作です。
- ・見たかどうかの確認
- ・情報に対してどのように思ったか
- ・情報を受けてどのように行動するか
など、組織として抑えるべき部分もあります。
ただ読んだだけでよしとなってしまう社員やスタッフも少なからずいるため、上側の管理意識の高さが求められるでしょう。
社員間で成功・失敗事例を共有化する
社内で発生した成功事例、失敗事例は、上手に共有できれば社の財産になります。
成功事例を参考に、教室運営、対応を行うと、成功率が上がりますよね。
特に、経験年数の短い講師の場合、成功事例と同じ行動をとらせられます。
そこで成功しても失敗しても、自らの経験となるため、次につながるのです。
また、失敗事例は社員にとっては知られたくないかもしれないですが、
- 同じ失敗を回避できる
- ケーススタディによって社員の対応力が上がる
- 社の理念を伝播させやすくなる
などのメリットがあります。
これも、月に一度の定例会議などで発表させるよりも、毎日コンスタントに共有させた方が高い効果が得られるでしょう。
失敗事例の共有を上司が咎めずに行っていくと、社員たちの能動的な動きに繋がります。
働き方改革が叫ばれる現代だからこそ、社員たちがイキイキとし、効率的に成長できる環境を整えなければなりません。
一人の先生が対応できる生徒数には限界がある
講師1人に任せきりの状態は、経営にとって非常に危険です。
特に現場の教室長にゆだねるケースが多いですが、もし仮に教室長が、
- 退職した
- 体調を崩した
- 事故にあった
など、不測の事態に見舞われた際、対応ができなくなってしまいます。
教室長の存在は、現場の生徒にとって大きなものであるのと同時に、会社にとっても大きい存在なのです。
そのため、講師1人に依存しない環境と整えなければなりません。
もちろん、教室長以外の社員やスタッフも同じです。
大人といえど人間なので、人それぞれに抱えられる生徒数に限界があります。
そのキャパを広げていくのが講師としての力量に繋がりますが、なかなか思うようにはいかないもの。
そのため、生徒や保護者、指導法などの情報を簡素化し、コミュニケーションをとりやすくする必要があります。
まとめ
学習塾は教えるだけが仕事ではありません。
- 生徒とのコミュニケーションを通じて、やる気のきっかけを与え、行動につなげて結果を出す
- 保護者とコミュニケーションを密に取り、保護者の満足度を上げ、子供を守る
- 社員、スタッフ間のコミュニケーションを通じて、満足度の向上、いい授業への還元を行う
と、コミュニケーションはよりよい教室運営を行うための、とても重要なファクターの1つです。
これらは一朝一夕でできるものではなく、システム化してしまうのが手っ取り早いです。
しかし、自社でシステムを作るとなると、多大な時間と資金が必要になります。
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