塾システムの導入による税金対策!買い切りと月額制の違い

学習塾の経営システム

業務の効率化のため、これまでのアナログ式からシステム導入によるIT化を図ろうとお考えの経営者の方は多いのではないでしょうか。

働き方改革やリモート業務の普及が進む中、塾もIT化へと進んでいく時代です。

またIT化で疑問点として挙がることの多い要素に「税金」の問題があります。

税金についてどう考えればいいのか、税制上のメリットはあるのかなど、知りたいことは尽きないと思います。

そこで今回は、塾システム導入による税金対策について解説をしたいと思います。

買い切りやリース、月額制での費用について、導入する際の財務処理や利用のポイント、資産計上の違いについてご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

塾システムの買い切り・リースの場合

塾システムを買い切り・リースで導入する場合のポイントについてご紹介します。

ポイントとしては、

  1. 買い切り(購入)の場合は減価償却で処理
  2. リースの場合はリース料で処理
  3. どちらも途中で利用中止できない

の3つです。

後述の月額制と比較してメリットの大きいものを選ぶようにしましょう。

買い切りの場合は通常の減価償却で処理

塾システムを買い切りした場合、全額が購入した年度の経費とはなりません。

使用できる年数に応じて資産計上を行う「減価償却」として処理されます。

購入期に多くの利益が計上されると予想できる場合は、買い切りによる減価償却費に計上をすることで節税になる点がメリットです。

リースの場合はリース料で処理

リースは、法人税法において定められた適正リース期間中に、取得原価と諸費用の全額を支払う方法です。

これにより、税金対策となります。

買い切りの場合は減価償却でしたが、リースの場合は経費扱いです。

毎月の支払額は支払い完了まで同額なので、2年目以降も均等して収益の一部をシステムのリース代に充てることができるので、税金対策にもつながります。

ただし、リース会社が導入時に代わりに購入するため所有権はリース会社である点に注意が費用でしょう。

契約期間後には返却、もしくは再リース契約を結ぶ形となります。

買い切りとリースは途中で利用を中止できない

買い切りの場合、多くは借入金によるものでしょう。

つまり借入金が負債として計上されるため、自己資本比率などに影響する恐れがあります。

またリースの場合は、原則として途中解約はできません。

リース期間中は支払いが常に発生するということ。

どうしても解約をする場合は、残額を一括で支払う必要があります。

つまり結局は全額支払わなければならないということです。

そのため

  • 利用してみて自社に合わなかった
  • 他にいいサービスが見つかった
  • 思っていたよりも使い勝手が悪かった

このように導入後に不満があったとしても、基本的に継続して使い続けることが必須となります。

システムの導入には、価格だけでなく「長く使い続けられるシステムか否か」で慎重な判断が求められるということです。

塾システムをASPなど月額制で利用する場合

買い切りやリースとは異なる導入方法として、ASP方式(ウェブアプリケーション)を利用する方法があります。

いわゆるクラウドと呼ばれるものと同じか、限りなく近い方式ですね。

導入時に初期設定費用などはかかりますが、買い切りよりもかなり安価です。

また毎月の「利用料」としての支払いが必要となりますが「常に最新の状態で使える」「機能追加にも対応」といったメリットもあります。

ASPサービスとしてシステムを利用する場合に覚えておきたいポイントは以下の2点。

  1. 経費として全額処理できる
  2. 途中解約も可能

新しいサービスが次々と出てくる昨今では、ASPを導入するメリットは大きいです。

経費として全額処理

月額制で契約を結んだ場合は、システム料は全額経費として処理できます。

初期投資も含めて経費として計上ができるため、経理処理がとても容易です。

毎月一定額の支払いで済むため、収支のバランスもとりやすい方法と言えるでしょう。

また契約期間も契約内容で調整も可能なため、ある程度は融通が効きます。

長期利用による割引などが受けられる場合もあるため、大きなメリットとなるでしょう。

月額制のサービスを利用する場合は、料金体系とともにサービス内容もしっかりと把握し、効果が得られる物を選びたいところです。

金銭面の都合による途中解約も可能

サービスを使う中で以下のような問題が発生した場合に、解約することで対処することも可能です。

  • 収益状況が悪化した
  • 別のサービスに変更したい
  • 金銭上の都合で一時サービスを中止したい

買い切りやリースと異なり、途中解約できるのは大きなメリットと言えます。

現代は、新型コロナや各地で起こる地震や台風等の自然災害など、いつ、何が起こるかわからない時代です。

不測の事態に直面したときに臨機応変に対応できるのは、事業継続計画(BCP)の観点からも企業の強みになります。

また、前述のように生徒数に応じて料金が追加される仕組みのサービスも多いです。

そのため、生徒数によっては他サービスの方が安くて効率がいいとなるケースもあります。

そのような場合にも、スピーディーに対応ができるため、月額制はこれからの時代にマッチしているのです。

資産計上による違い

買い切り、リース、月額制の3つとも、税金対策という観点からケース・バイ・ケースで使い分けたいところです。

それぞれにメリットがあるため、自社の状況に応じて決定するとよいでしょう。

また財務諸表上で総資産利益率(ROA)の見え方に差が出ます

資産計上による違いのポイントは以下の2点です。

  1. 買い切り、リースはオンバランス
  2. 月額制はオフバランス

専門的な部分になるため、ポイントを絞ってお伝えしていきます。

買い切り・リースはオンバランス

買い切りは購入金額が資産として計上され、使用期間に応じて減価償却されます。

リースの場合は、会計基準の変更により、リース資産、リース負債として計上されていくのです。

そのため、貸借対照表上に資産・負債としてしっかりと記載されてしまいます。

これにより、総資産額の増大、ROAの減少になるのです。

資産を多く所有するのは、対外的な評価が得られやすいものの、負債のリスクも伴う場合があります。

資産を所有するためには、手元にある程度の資金を置いておく必要があるため、小規模な企業ほど対応がしづらいでしょう。

また、ROAは企業の収益性を表す係数なので、対外的な評価が下がってしまう恐れがあるのです。

そのため、オフバランスで処理をしたい場合は、やはり月額制を採用しなければなりません。

ASPなどの月額制はオフバランス

月額制は全額経費処理が可能になるため、オフバランスでの処理が可能です。

少額でも必要があれば導入ができ、資産維持管理の負担軽減にも繋がります。

また、オンバランスと比較しても資産として計上されるものを少なくでき、シンプルな貸借対照表となります。

そのため、ぱっと見で状況が理解しやすいシートになり、ROAも買い切りやリースと比べてよくなるため、対外的な映りが良くなるのです。

経理処理の手間も省け、対外的な評価は上がりますが、注意点が1つあります。

それは、オフバランスは粉飾決算などの不正行為に悪用されるケースがあるのです。

経営の実態がよくも悪くも隠されてしまうため、対外的な評価にのみ利用するのは避けた方がいいでしょう。

まとめ

塾システムの導入には以下の3つがあります。

  1. 買い切り
  2. リース
  3. 月額制

税金対策に関しては三者三様、大きな差はありませんが、ポイントとして違う部分は多いです。

買い切りとリースは途中解約ができず、オンバランスで計上されます。

月額制は途中解約ができ、オフバランスでの計上です。

どれもメリット、デメリットがありますが、時代の流れを考えると、今後は月額制の需要が高まると言えるでしょう。

しかし、月額制には下記を考慮する必要があるため、事前にきちんと把握しておかなければなりません。

  • 初期導入費
  • 生徒数(ID数)によってコストが変わる

塾のIT化は、これまでの長く古い慣習を一新する大きな改革期です。

この流れに乗り遅れないようにするとともに、システム導入による失敗を防ぐためにも、ぜひ、様々な情報を集め、自社にとってプラスとなるシステム導入を行いましょう。

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