人気講師の多くは、高い能力とスキルを兼ね備えています。
このような力は持って生まれたものである場合より、塾講師生活によって培われたものである場合の方が多いです。
あたり前のようにわかりやすい授業や楽しい授業を展開する講師も、様々な苦悩を乗り越えて、今の授業を形成しています。
それほどまでに、塾講師は経験が重要な世界なのです。
そこで今回は、塾講師に求められる能力とスキルを高める方法をご紹介します。
能力やスキルが評判に直結する理由や、求められる能力、スキルの磨き方をお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
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講師の能力・スキルは塾の評判を左右する
講師は一従業員ではありません。
配属された教室の顔となるのです。
そのため、講師の力量によって塾の評判が決まります。
ポイントは、
- 能力やスキルによって全く違う授業になる
- 子供の成長は講師の力量で決まる
- 能力やスキルは後天的に身につく
の3つです。
1つ1つにこだわる職人のような一部分もある塾講師。
ぜひ、能力やスキルを追い求めて、塾の評判を上げる講師を目指してください。
能力・スキルによって授業に差が出る
よい授業には能力やスキルが求められます。
仮に授業に能力やスキルが必要ないとすれば、経験ある講師と学生アルバイトの授業は全く同じものとなるでしょう。
しかし実際はそうではありません。
同じ科目、同じ単元を同じ教材で教えていても、生徒の成績の伸びが変わることはよくあります。
これは講師の能力やスキルが影響していると考えられます。
- 生徒が聞き取りやすい話し方
- 明るく楽しい雰囲気づくり
- 生徒のやる気を引き出すパフォーマンス
こうした例以外にも同じカリキュラムであっても生徒の状態は大きく変わります。
つまり生徒は講師からの教え方一つで感情が動き、その結果として成績も変わるのです。
子どもは、動機づけができるほど成績が伸び、逆に動機づけがうまくできなければ成績はなかなか伸びません。
講師の能力やスキルは子どもへの動機づけとなり、学習効果を高めます。
子どもの成長は講師の力量に応じて決まる
塾講師の中には、生徒の成績の悪さを生徒自身の問題と考える人もいます。
もちろん生徒自身に問題を抱えるケースはありますが、講師自身が問題であるケースも数多く存在します。
他責的な考え方の講師が伸ばせるのは、最初から勉強意欲の高い生徒だけでしょう。
やる気のない生徒はたくさんいますが「この子はやる気がないから仕方ない」と考えているようでは、成績を伸ばせず塾への評判にも影響を与えます。
どうしたらやる気が出せるか、何をすればきっかけを作れるか、こうした考えを持つ講師を目指しましょう。
子どもの立場で考えること、何を欲しているか見抜くこと、粘り強く対応すること、こうした当たり前の考え方を持てているかを今一度振り返ってみてください。
後天的に獲得できる能力・スキルこそが重要
何でも自然にそつなくこなすことのできる、誰もがうらやむ才能を持っている人は一定数います。
しかし塾講師には、才能以上に、努力によって身に付けられる能力やスキルこそが重要です。
- 人との話し方
- コミュニケーションの取り方
- 勉強の方法
- 生徒への教え方
生徒の成績を伸ばす能力やスキルは、努力して身に着けた人から教わる方が共感できるはずです。
もちろん得手不得手は人によって異なりますから、得意な部分はとことん伸ばし、苦手な部分をカバーできるようになりたいものですね。
>>塾業務におけるマニュアル化の必要性とは?IT化への第一歩
塾の講師に求められる能力とは?
塾講師は生徒の成績を伸ばすことが使命のため、塾講師ならではのスキルが求められます。
ある意味で塾業界に特化した能力であることから、誰にでもすぐにマスターできるものではありません。
塾講師に求められる能力の代表的なものとしては以下が挙げられます。
- 担当する科目への深い理解
- 伝える力とコミュニケーション能力
- 人間力やユーモア
塾業界であるからこそ通じる能力であることから、とことん高めることでこの業界で貴重な存在として頼られる存在になれるでしょう。
自分の担当する科目への深い理解
担当科目を教えられるだけでは、講師としては不十分です。
指導科目への深い理解こそ、講師に求められる能力の1つといえます。
問題の解法を教えるのは誰でもできます。
しかし、これだけでは講師の仕事は成立しません。
なぜなら、生徒の理解度が一人ひとり異なるからです。
表面的な学問の理解では、生徒を本当の意味で伸ばせません。
学問への深い理解があるほど様々な切り口や視点で生徒に合った伝え方ができるのです。
- 生徒が間違った答えの原因を瞬時に理解できる
- 問題点を解決する教え方ができる
- 別解や違う視点もアドバイスできる
しかし講師自身の理解度が低ければ、生徒がなぜできないのか、どこに躓いているか、何を教えればできるようになるのか、などがわからないのです。
小さな問題の躓きをきっかけに生徒が抱える弱点を判断できる能力は、塾講師に求められる能力の1つです。
持っている知識を伝える力とコミュニケーション能力
知識があれば塾講師が務まるわけではありません。
大切なのは生徒へ伝える力です。
あたり前ですが、講師と生徒の間には勉強に費やしてきた時間や経験も違いますので、大きな学力差があります。
特に、高学歴の講師や、生徒時代に優秀な成績を収めてきた講師は、勉強ができない子どもの気持ちを理解する必要があります。
講師の表情一つで、「こんな問題もわからないのか」という誤ったメッセージが生徒に伝わってしまうこともあります。
そのため知識だけではなく上手に伝える力が必要と言えます。
また、勉強以外の話題も豊富に伝えた方が良いケースがあります。
雑談はコミュニケーションの潤滑油です。
日頃のコミュニケーションとしてウィットに富む雑談ができなければ、生徒との心の距離は縮まらず、意志の疎通も難しくなります。
そのため、生徒が興味を持てるような、勉強以外の話題にも常にアンテナを張っておきましょう。
授業がうまくいかないときこそ、授業外で生徒とコミュニケーションを取りましょう。
小さなきっかけで勉強に向かうようになる生徒は意外と多いものです。
人を相手にする仕事だからこそ、知識を伝える力やコミュニケーション能力は塾講師にとって必要不可欠な能力だと言えます。
生徒から好かれる人間力やユーモア
生徒から好かれるには、人間力やユーモアが必要です。
人間力とは物事の考え方です。
生徒が思わず「この先生みたいになりたい」と思える人物が人間力のある講師です。
- すぐに怒らない、優しい
- いつも笑顔でいてくれる
- 叱られて納得できる
こうした人間的に大きな心が必要になります。
また純粋な面白さもときには必要です。
大笑いを取れるギャグが求められるというわけではありません。
- 面白い表現をする
- 受け取り方を変えて笑いに変える
こうした小さなユーモアをさりげなく見せるだけでいいのです。
ほんの些細な会話の中でも面白く、楽しくさせてくれる講師。
そんなユーモアや面白さは、多くの生徒の心をつかむ武器となります。
一方、特に新人の時に陥りやすい罠なのですが、生徒に嫌われたくないために常に優しく、笑いの絶えない授業を心掛けてしまう時があります。
楽しくて面白いのはいいのですが、時には厳しさも必要です。いろんな言い訳をつけて宿題をやってこなかった生徒に厳しく指導できるかどうか、集中力が続かない生徒を叱れるかどうか、講師の人間力には厳しさも含まれるのです。
厳しさは怖さではありません。突然大声で怒鳴ったり、脅したりすることが厳しさではありません。
厳しさと怖さの違いは、「愛情」があるかどうかです。
生徒がどんな時に講師の「愛情」を感じるかと言えば、普段は厳しいけど面倒見がそれ以上にいいとか、いつも相談にのってくれて自分のことを一番理解してくれているとか、根底に安心感、信頼感があることが前提です。
新人講師時代には、生徒に嫌われたくないために、冗談や笑いを中心に接してしまいがちですが、生徒はどこか物足りなさを敏感に感じています。特に女子中学生・高校生はそのあたりをよく見ています。
講師に求められる人間力には、思春期の敏感な感性を持ち合わせている子ども相手だからこそ、大人相手以上に細かい配慮と洞察力が必要となります。
塾の講師がスキルを磨く方法とは
人間は持って生まれた才能はさほど多くありません。
日々生きている中で様々なことを学び、自分の力へ変えていくものです。
ですから講師自身がスキルを磨こうとしなければなりません。
塾の講師がスキルを磨く方法には以下が考えられます。
- 読書量を増やす
- 塾内外の優秀な人間と話す
- セミナーや勉強会へ参加する
他にも積極的に様々な体験をすることも人間力を磨くために有効でしょう。
多くの情報を取り入れ、様々な経験を積み重ねることがスキルを磨く近道になるので、ぜひ参考にしてください。
読書量を増やす
読書は知識を増やすには一番手頃で最も効果的な習慣の一つです。
各分野で貴重な経験をした人やプロフェッショナルな人に会って話を聞くことが、どれだけ大変で手間とコストがかかるかを考えれば、読書はわずか2000円前後の書籍代で貴重な時間と知識が手に入るのです。
豊富な知識は、授業を面白くしたり、生徒のやる気を引き出すことに大いに役に立ちます。
「織田信長は比叡山を焼き討ちにした極悪非道の大悪人のように語られているけど、本当かな。歴史は勝者によって語り継がれるから、歴史が真実とは言えないんだ」とか、「今日の作文には手間取ってたけどテーマが難しかったかな?AIのChatGPTに同じテーマで作文させたら3秒でこんな作文をしてきたよ」とか、読書で得た知識を授業に応用し、生徒の興味関心を引き出すことは十分可能です。
特に、ユーモアや冗談が苦手な講師にとっては、読書による圧倒的な知識量こそが、生徒の支持を得る大きな武器となりえます。
生徒にとっては、講師は一番身近な大人であり、自分の知らない世界を知っている大人ですから、講師が話す様々なエピソードや知識は、単元学習以上に興味を示すものですし、そのことが生徒との心的距離を縮め、信頼と評判を勝ち得ることにつながります。
生徒の興味は様々ですから、講師は乱読と言われるほどの読書量がモノを言う仕事かもしれません。
塾内外の優秀な人と話す
人との触れ合いは、人を相手にする講師にはとても大切な経験です。
積極的に様々な場所に出向き、様々なバックグラウンドを持った人と話すことは、講師としての視野を広げるだけでなく、授業や生徒指導に活かせるヒントをたくさん得ることができます。
休日にレストランや居酒屋で旧友と会ったり、趣味のサークルで出会う仲間も大切です。様々な業界の話も聞けますし、既婚者からは保護者目線の子育ての話も聞けるでしょう。
実際に会わなくても、テレビのドキュメンタリー番組やお笑い番組、バラエティー番組からでも様々なことが学べます。
ある講師は、落語家の話すスピードや間の取り方を参考に、話す力を磨いていました。コロナ禍ではマスクをしていましたから、目と眉毛の動きだけでどんな感情を伝えることができるかを研究していた小児科の看護師もいました。
積極的に普段会わない人と会ったり、話したりしてください。
そうすることで新しい価値観を発見でき、自分の考え方にパラダイムシフトを起こすことだってできます。
生徒へ刺激を与え、学力が伸びることに繋がることだってあるでしょう。
セミナーや勉強会へ参加する
塾の場合、外部と接触する機会が非常に少なくなります。子どもと話す機会は多いですが、大人と話す機会は、保護者面談時以外はほとんどありません。
その為、経験や視野を広げるためには、外部のセミナーや勉強会に積極的に参加した方がいいでしょう。
塾業界には、「月刊私塾界」「塾と教育」といった業界専門誌があり、毎年全国各地で様々なセミナー、展示会を開催しています。教育コンサルタントのセミナーで業界全体の動向を知ることもできますし、大手塾経営者の貴重な戦略を学ぶこともできます。
また、大手塾主催の授業大会に参加できるよう腕を磨くのもいいかもしれません。全国の学習塾から、授業のエキスパートが集まり、その腕を競い合う大会です。出場できなくても、会場に見に行く機会があれば必ず参考になるはずです。
勤務している会社のルールや考え方が全てではありません。
新しい価値観を積極的に取り入れ、塾内に還元することは、生徒だけではなく塾の価値を高めることにも繋がります。
積極的にセミナーや勉強会に参加し、外で学ぶ機会を作りましょう。
そこで得た知識や考え方、あるいはそこでの人との出会いが何かを変えるきっかけになるかもしれません。
変化は行動した人にしか起こらないのです。
まとめ
塾講師には様々な能力やスキルが求められます。
すべてを高いレベルで実践できればいいですが、なかなか難しいのが現実です。
塾講師にはたくさんの能力が求められますが、一つだけでも突出した能力があれば、他の力を補えます。
問題はどの力を伸ばしていくかです。
先天的なものよりも、いかに努力し、身に着けていくかが大切になるのが塾講師。
「知らない」「できない」「自分には合わない」と諦めるのではなく、まずはやってみることから始めていきましょう。
講師自身が日頃から自分の能力を高める努力をしているからこそ、生徒にも努力の大切さが伝わります。
やはり生徒を指導するからには、まず自分が実践しなければなりませんよね。
またビジネスとしての側面も必要なので、授業をする講師としてだけでなく、売上や利益を出さないといけない教室長や会社への貢献も必ず考えましょう。
この両方の側面を持ち合わせて初めて塾講師です。
大変ですが一つ一つクリアして、子供に夢や希望を与えられる塾講師を目指してください。
>>これから求められる「学習計画」と「自己管理能力」の重要性について
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