教育改革におけるITリテラシー問題
2020年教育改革によって、教育業界にも本格的にITが導入されるようになりました。学校には生徒1人1台のタブレット端末が配布され、その端末を活用した授業コンテンツも多く出てきました。
ここで大きく問題となるのは、使い手側…講師側のITリテラシーの”高さ”です。
一般的に一昔前までは、他の業界と比べて医療業界と教育業界のIT導入は遅れていました。医療業界には、電子カルテの普及や医療技術の進歩によってIT導入は進みましたが、最低限黒板と机があれば成り立つ教育業界ではIT導入は鈍化しておりました。
しかしながら教育改革によって否が応でもIT導入を余儀なくされた学校において、その成否は現場の講師が如何に上手く扱えるかどうかにかかっているかと思います。
それが、ITリテラシーの”高さ”です。IT導入が遅れた今日の教育業界においては、それはなかなか難しい問題で、昨日今日ですぐに扱えるようになるかというとそうではないと思います。それではこれをすぐに高めて行くことは難しいことなのでしょうか。
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ITリテラシーとは?
そもそもITリテラシーとは何なのでしょう?
リテラシーとは、英語で「literacy」、意味は「技能」や「能力」といった意味もありますが、主に「読み書きの能力」=「識字力」という意味で使われるようです。
ITは「Information Technology」、「情報技術」ということですので、ITリテラシーとは「情報技術の識字力」であることがわかります。
情報技術の識字力というのは具体的にどういったことを指すのでしょうか。情報技術とはコンピュータやインターネット、そこに存在するデータなどを総称しますが、例えば現在ご覧いただいているネットブログ、これも情報技術の1つと言えます。
このネットブログを読むためには、
- コンピュータの電源を入れる。
- ウィンドウズにログインする。
- インターネットを立ち上げる。
- このネットブログを探し出す。
と、大きく分けても4つの段階を踏まなければなりません。細かく分けると、ウィンドウズにログインする際にはキーボード入力が必要になりますし、インターネットを立ち上げるときには、マウスを操作しなければなりません。ネットブログを探す際にはまた、キーボードが必要となります。
これらの全ての操作が「出来る」必要がありますが、おそらくこのネットブログをご覧の皆様は、難なくこの操作が出来るからこそ、ここにたどり着けているのだと思います。つまり、この「ネットブログ」=「情報技術の1つ」にたどり着く力(識字力)があるということになります。「皆これくらいのことは出来るよ」と思われる方もいらっしゃるかと思いますし、そのとおりだと思いますが、これはWindows95のインターネットが普及し始めた時代では一般的に出来ることではなかったことだと思います。今はどうでしょう?「見慣れた操作」ではないでしょうか。この「慣れた」ということが重要だと思います。
例えば、ネットブログにたどり着くための関門は前述の通り大きく4つありましたが、
- コンピュータの電源を入れる
→どのスイッチを押せば電源が付くかがわかる
- ウィンドウズにログインする
→キーボードのタイピングができる
- インターネットを立ち上げる
→どのアイコンがインターネットなのかがわかり、マウス操作も出来る
- このネットブログを探し出す
→Google検索でどのような検索をすれば最適解がヒットするかがわかる
上記のように一つ一つの操作に対して、コンピュータにどのような命令をすればいいのかがわかれば、素直に答えを返してくれます。「慣れた」ということは「理解している」ということだと思います。
このように、コンピュータとコミュニケーションし得たい結果を得るために、コンピュータの性質を加味し、どのような命令をしたらいいのかを理解していくことこそが、ITリテラシー向上には必要だと思います。
コンピュータと上手くコミュニケーションしていくには?
コンピュータの特性は非常に素直です。「×」ボタンを押すとそのウィンドウは閉じますし、「戻る」ボタンを押すと戻ってくれます。ではなぜこんなにも人間側は苦労するのでしょうか。それは例えば、「×」ボタンを押すと戻ってくれるということはわかってはいるが、どこに「×」ボタンがあるのかがわからないということがあります。実際にWindowsでは「×」ボタンは全てウィンドウの右上に配置されていますが、Macintoshでは左上に配置されています。これだけでMacintoshをみたとき、多くのWindowsユーザーは「どこに閉じるボタンがあるの?」と一瞬戸惑うかと思います。筆者も初めは戸惑いました。これはMacintoshとWindowsの性質の違いだけの話で、これらの性質をちゃんと把握すればどちらのコンピュータとも上手く対話することができるようになります。これは、対人間も同じことだと思います。内気な生徒とやんちゃな生徒、やんちゃな生徒を叱るのと同じように内気な生徒を叱ると内気な生徒は心を閉ざしてしまうかもしれませんよね。内気な生徒には内気な生徒に対しての叱り方や褒め方があると思います。そのようにして相手の性質によって自分の対話方法を変えることは対人間ではごく普通のことです。そしてこれは前述の例でいけばコンピュータも同じと言えるのではないでしょうか。
コンピュータと上手く対話し、ITリテラシーを高めるにはまずそのコンピュータの性質を知ることから初めてみてはいかがでしょう。このシステムは何を触ればどのように動いてくれてどのような答えを返してくれるのか。それを色々試してみて、性質を掴む。性質を掴んだらあとはコンピュータと楽しい対話が待っているはず!
機械だからと一方的に壁を作らず、こちらからコンピュータに色々と接してみるようにしてみてはいかがでしょうか。
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