どんなに環境が変化しても、根付いた場所で生き残っていかないといけない植物の世界。似た環境にある学習塾が植物に学べることはあるのでしょうか。
植物とフィボナッチ数列
植物は何億年もの生存競争を生き抜き、合理的で後世に引き継ぐ価値のある生存の術を身に着けてきました。
映画「ダ・ヴィンチ・コード」にも出てくるフィボナッチ数列もその一つです。「1、1、2、3、5、8、13、21、34、・・・」という数列で、3項目以降の数字は前二つの数字を足した数になるというものです。
その数列はあらゆる自然界や宇宙の法則として知られています。
木が枝分かれするのも、地面と最初の枝分かれを1とすると、その後は2本、3本、5本とフィボナッチ数列に従って枝数が増えていきます。
ヒマワリの種の配列や花びらの配置もフィボナッチ数列です。
植物は、枝や葉が重なることなく、一番効率的に日光を浴びるのに適した原理原則を身に着けています。
植物には知性がある
植物学の第一人者ステファノ・マンクーゾ教授の著書「植物は<未来>を知っている」では、植物には知性があり、記憶力、運動能力、環境適応能力といった様々な能力があることが紹介されています。
知性を「様々な課題を解決できる能力」と定義すれば、植物は驚くべき感性と情報伝達能力で、動けなくても課題を解決する知性を備えています。
例えば、樹木のニレやマツの木は、害虫が葉を食べていることを察すると、害虫の唾液成分で記憶の中から種類を判別し、毛虫であることを特定します。
そして、毛虫の天敵である蜂が好きなにおいを発して蜂を呼び寄せ、虫の中に蜂の卵を産ませ、やがて毛虫を除去します。
感知、分析、判断、対応といった知的行動が見受けられるのです。
Wood Wide Web
実は植物は、地下に張り巡らせた根のネットワークで地上の変化を情報共有していることがわかってきています。
30年間森を研究してきたカナダの生態学者スザンヌ・シマード氏は、森の中で次のような実験をしました。
ある苗木に炭素13、離れた別の苗木に炭素14というガスを充満させた袋をかぶせ、互いの影響を調べたのです。
すると、それぞれの炭素が交換されていただけでなく、日陰の木が日当たりの良い木から炭素を多く分けてもらっていることがわかりました。
しかも、この地中のネットワークから遮断された木は、害虫発生の場所や種類、気温変動等の情報を受け取れず、弱っていくことも確認されています。
シマード氏は、木々は炭素・窒素・リン・水・防御信号・アレル化物質・ホルモンなどを言葉として「会話」をしていると語っています。
地下にびっしり張り巡らされた植物の根の姿はインターネット網のようで、「Wood Wide Web」と呼ばれています。
植物は、動物が持つ脳や心臓等の特定器官を持たず、様々な機能を全身に分散させています。
心臓がやられれば死んでしまう動物と違い、明らかな急所を持たないことで生き延びています。
激変する環境変化から逃れられない学習塾が植物から学べることは、中央集権的な組織より権限移譲された原理原則に基づく分散型組織、迅速な情報共有、環境変化を察知して分析できるデータ経営、そして他塾や地域との幅広い情報ネットワークの構築のように思えます。
植物は学習塾に様々なことを教えてくれます。これからはそんな視点で植物を眺めてみてはいかがでしょうか。
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